安威川散策で「猫」の次は「鳩」に遭遇するの巻き

2023年 1月19日(木曜)   kumanoayu


写真① 冬の兼六園(金沢市)


 1月18日(水)いつもの予定通リ「安威川散策歩行」に出掛けた。
所定のノルマを達成して駐車場に戻ってきたら、前輪タイヤの前に「鳩」がじいっとうずくまっている。そしてそこから立ち去るように移動を進めたが、相変わらず動かない。このまま車を前進させたら轢いてしまう恐れがある。
よくよく観察してみると左側の羽根の付け根付近が異常に傷ついている。羽根から皮膚の
一部が見える状況である。心なしか膨れ上がっている感じだ。
そしてさわっても逃げようともしないし、バタバタと暴れることも無い。思うに相当のダメッジを受けているのではないかと思った。
これほどまでに近くで鳩を見たことが無かったが、傷ついているので何となく弱弱しく見える。逃げる素振りも見せず、従順で目も可愛い。「平和の使者」というイメージにピッタリな感じを受けた。


想像するに天敵のカラスに襲われたのではないだろうかと推定した。
散策歩行の終わりなので時は 17時頃である。ぼつぼつ暗くなってきている。
カラスから逃げるため車の前輪タイヤとバンバーの間に身を隠すように上手に退避したのであろうか。
時としてカラスよりも怖いかも知れない人間がさわることのできる状況であっても、じいっとしたままで、覚悟を決めましたと言う感じで、「あなた様を信頼しています」という目つきで見られると、かわいそうになって来た。
相当衰弱しているのだろうと思った。両翼が不自由なく使えれば飛び立つことが出来るのであろうが、叶わないのでやむなくじっとせざるを得ない状況なのであろう。体力の回復のために食べ物でもと思って、持っていた食パンを食べやすいようにと、小さくちぎって傍に置いたが少し嘴を近づけて来ただけで食べようともしない。食欲と言うよりも怪我で体力が落ちていてそれどころで無いのかも知れない!
これからどうすれば良いのかあれこれ考えていた。
このまま放置したら衰弱でへたってしまうであろう!
獣医科に持ち込んでも怪我が回復するまでに少なく見積もっても 10日間ほどかかるであろう。処置が済んでも飼育の経験すらないので連れて帰るわけにもいかない。獣医科さんで回復まで預かってくれるのだろうか!
犬、猫ペットの獣医科医院のあるのは聞いたことがあるが、こんな時間から捜すのは困難だ。陽が落ちて来る。どうしたものか!


写真② 急遽こしらえた”鳩のねぐら”


結局置き去りにすることにした。私には私の生活、鳩くんには鳩くんの生活、運命が有るのだ。近くに清掃奉仕を始めている背丈の伸びた雑草地帯が有る。ここに懐を作って風邪をしのげるようにしてあげようと決めた。
これで彼に運があれば生き延びてくれるかも知れない。こうと決めたからには
躊躇せずに即実行に移した。藁で作った小屋風に仕上がった。そこに抱っこして移動した。食べなかったパンくずも一緒に置いた。
犬とか、猫とか、イタチなどが襲ってこなければ大丈夫であろうと自分で自分を納得させた。もうすでに PM18時頃だ。君に運があれば明日は明日の問題だ。


本日 19 日、内心心配しながらその場所に到着した。かなりのダメージを受けていた様子だったので、体力的に夜間の寒さに抵抗できなかったかも知れない。
それは彼の運命だったのだ。最後に天敵の1種であろう人間様に運よく遭遇して寝どこまで作ってもらって運んでもらったのだ。彼は彼なりに自分の運命を享受してくれいるであろうと内心自分に自分を納得させるように心に刻んでいた。


昨夕保護した寝床は“もぬけの空 ”であった。瞬間、良かった自力で脱出したに相違ないと思った。天敵が悪をしに来たのであればその寝床は少しでも争いの気配が残っているものであろうが、それは全く認められなかった。
自力で脱出か、通リ掛った人間様が救出してくれたかいづれかであろう。


おーい鳩くん私を見掛けたら近くに来てポッポウと得意の声で鳴いてくれ!
決して空からフンを落とすんじゃーないぞ!

                             (おわり)

写真③ 武家屋敷跡(跡と言っても一般住宅として生活されています)金沢市内


あとがき
 当日の夜「鳩の救済」についてネットで調べていたら、多くのタイトルが「鳩の糞被害、鳩の巣の撤去等々」鳩が悪者扱いされています。
また、大阪府の広報も「鳩を救助してはいけません。鳩が天敵に襲われるのは自然の摂理である」と冷たいような公文でした。以下にその文書抜粋を貼り付けます。
 野生鳥獣は、自然の中で生活しているため、他の生物に襲われたり気象条件等によって弱ってしまうことは、自然の摂理であるとも言えます。
傷ついた野生鳥獣を救おうとする気持ちは、大切ですが、かわいそうだからと連れて帰ってしまい、どうしていいか分からなくなるのでは、かえって無責任な行為となってしまいます。また、救護目的であっても野生鳥獣を捕獲することは、野生鳥獣にとっては大きなストレスとなり、かえって弱らせてしまうこともあります。


 許可なく野鳥鳥獣を捕まえたり飼ったりすることは法律で禁止されており、生物多様性の保全の観点からも、傷ついた野生鳥獣を見つけた場合は、そのままそっとしておいてください。
                               (2度目のおわり)