断腸の思いで「背広」に「さようなら」と言う日がやって来たの巻き

2023年6月29日(木)    kumanoayu 


写真① 早くも夏の到来を告げるイメージの代表格のひとつである「向日葵」、季節感が多
              様化して来ていますね!  (23.06.29 高槻市内で)


 月に一度「布類」等のゴミ類収集の指定日が有る。うちのお偉いさんが二階の洋服ダンスに収納している私の背広上下服を当日捨てるべくさっさと袋に詰め込んでいる。ひと言もその旨のお断りすらないではないか! いつものことなのでそれほど驚くことでも無いが、事前にひと言ぐらい言うのが筋ってもんだろう。
私の友人などは「大事なアルバムを勝手に捨ててしまった」と言って離婚訴訟までやらかしているほどである。男には男としての領域での思想と言うものがあるのである。


うちのえらいさんは私と違って決断が早い。私はどちらかと言うと基本的には慎重に黙考するタイプかと思う。時間勤務体制から離れて早や年が過ぎる。
この間背広を着て外出したのが数回のみ、それも上下服でなくてブレザーと呼んでいる上着のみであった。昔と違う環境に於かれてからと言うものは、上下でなくともこれだけで十分用が足りるのである。


写真② 私の好きな花のひとつです「アガパンサス」が群生化して拡がりを見せています。
    (23.06.29  高槻市内で)


この中には8時間勤務でバリバリと走り回っていた思い出が一杯詰まっている。
今は正直言って「ブレザー」着あれば事足りることであろうと思うが、「廃棄する」となると躊躇が走る。


数年前に仕立てた、イタリア、イギリス、そして国産のミユキ等々、若い頃と違ってその布地も少し奮発したものばかりである。
そうは言っても使用しないでタンスの中に納まったままでは、「タンスの肥やし」と揶揄されても仕方がない。


それとこうして現役の頃の証拠の証が、あれもこれも日々すこしづつ目の前から消えてしまうと言うことは、何か一抹の寂しさが伴う。
一方で「タンスの肥やし」論も肯定される事実である。小さな頭で熟慮に熟慮を重ねた結果、夏用、合冬用各着を残してあとは断腸の思いで捨てることにした。


写真③ 高槻市内を北から南に流れる「芥川」です。上流側に橋が見えますがこの左側に
     「高槻市立自然博物館/あくあぴあ芥川」が有ります。
    (23.06.29  写す)


えらいさんの「廃棄する」という「感情無し合理的思想」に必死に食らいつきながら、思えばこの年間良く頑張って来たものである。


今は既にグッドバイして背広は旅立ってしまったが、目を閉じるとあの背広、この背広でこんな土地を訪れ、こんなお方とお会いして、こんな仕事をして来たなあという忘れることの出来ない思い出がよみがえってくる。
         
                                   (おわり)


写真④ 遊歩道や天端表法面などで著しく成長した各種雑草類の刈り取りが実施されていま
    す。作業員のお方達は実にマナーが良くて遊歩道散策者が通過するときは、一旦作
    業の手を止めてくれます。私は極力邪魔をしないように其処を避けて天端堤防上に
    歩を向けることにしています。
    (23.06.29 安威川の西河原橋から下流方向を望みます)