安威川を離れて 『北陸の雪国生活』 について考えるの巻

雪国生活は生活の一部です。


2022年12月21日(水)   kumanoayu


写真① 貫禄勝ち 道路上に飛び出した「クロガネモチ」貫禄が有り過ぎて誰も切り倒せと
               抗議を言わないようで安泰です。(高槻市内で)


 北陸・金沢で延べ13年間、住まいも購入して根を下ろしていたことがある。
金沢、北陸と言えば昨今のニュースによれば「大雪情報」が伝わってきている。
今はかなり昔の話になるが、生活中は大雪にも見舞われJRは10日間ほど不通になるし、高速道路は当然のように何日も動くことが出来ない状況に陥った。
金沢本社勤務中はビジネス活動で太平洋岸地区に出張で出る。鉛色のどんよりとした雪雲の世界から、福井県敦賀の大雪地帯を経由して滋賀県大津あたりまでくると太陽がさんさんと輝いて来る。
ある時博多で活動を終えて金沢に戻ろうとした時はJRが不通になっていたので、急遽Airで博多➡羽田➡小松のルートで、空港に車輪が着いたときはホットしたものである。


屋根に上って雪を下ろしたことも、今思うと良い経験であった。
(注:当地では“雪透かし”と呼んでいた)
屋根雪が70 ~80cm以上の積雪量になると建屋室内の襖や障子の開け閉めが窮屈になってくる。雪の重みが悪さをするのである。家の建築も雪国仕様で丈夫に作られているので有るが、大雪の時はその季節内に1~2回は“雪透かし”を覚悟しなければならないのであった。


写真② 12月20日、予定通リ自家用車の不具合が修復完了し、戻って来たの
              早速「安威川」に出向いた。「カモの大軍団」が歓迎してくれました。


   太平洋岸の皆様には深くご理解して頂けてないと思うことが有ります。
それは屋根雪であれ、庭に積もった雪であれ、”雪透かし”= 除雪作業を行うに当たっては、その除雪した雪を家屋敷から外部にどけないことには、にっちもさっちも、どないにもならんと言うことです。(へんてこな表現になっているような気がしますがきちんと通じていますでしょうか? お許しください)


近隣に雪捨て場があれば良いのですが、有るにはあってもそれが数百mも離れている環境であれば、これはもう地獄みたいなものです。
幸いにして私の住まいは県の住宅供給公社のニュタウン計画のタイミングで手当てしたものですから、住環境や生活環境などについては恵まれていた方だったと思います。大雪の時は10日間ほど続きますから、勤務から帰ったら毎日のように家回り、庭、家の周辺道路の除雪です。幸い近くに大きめの用水路が有り流水量も相当なものでしたから、大量の雪を投棄してもそんじょそこらで詰まるような心配が有りませんから、体力の続く限り大粒の雪が降ってくる中を除雪に勤しんだものです。


除雪した雪を雪捨て場まで運搬するには、小型軽トラックがあればGOODなのですがサラリーマン家庭では、ましてや私の家には通勤用の普通乗用車しか有りません。
「スノーダンプ」と呼ばれる作業運搬車を使います。大抵のお宅でも保有されていました。雪国生活の必需品と申せましょう。
手押し運搬車みたいなものです。但し車輪は一切ついていません。荷台に雪を一杯積んでそして雪の上を橇(そり)のイメージで滑るように取っ手を持って走りながら運ぶのです(普通は歩きますが元気が有る時は一目散に駆け抜けます)
搬送面に雪が無い所では基本的に使用は不適当となります。


写真③ 葉っぱが散って枝だけになりました(高槻市・上の池公園)


 僅かに雪の期間は3カ月有るか無いかですが、生まれついてからずーっと雪国
育ちで離れたことが無いという多くの県民の方にとっては大変な3カ月かも知れません。
私のように太平洋岸育ちにとっては、少しは雪国の生活にあこがれも持っていましたし、一生涯雪国生活を余儀なくされるという縛りが無かっただけに、申し訳ない表現になるかも知れませんが、それほど苦痛に思ったことが有りませんでした。
日本は春夏秋冬四季が楽しめます。世界的にも恵まれた環境といえることでしょう!
ご縁をいただいて雪国・北陸に来たからには精一杯雪を生活に取り込んで雪のある生活を楽しむ絶好のチャンスである。望んでも太平洋岸では雪の楽しみを得ることは出来ないのであるから。この与えられた環境に感謝、感謝でした。


金沢から関西本部に転勤で来た社員が当然ながらいるのです。何年か経って再び本社所在地の金沢に戻る(転勤)と言うことも有ります。そうすると旦那社員の奥さん曰く「私は関西が気に入りました。雪の降る北陸には戻りません」
彼らは兵庫県の阪神沿線に永住することになりました。
一番大きな理由は雪でもないみたいです。冬の3カ月は太陽が消えるのです。
「昼間でもあの鉛色の空が覆っている北陸」松本清張氏の文章にも登場する象徴的な言葉です。


今、金沢は北陸新幹線が開通して既に8年経過、再び金沢から西の敦賀には2023年に延伸してくる予定となっている。次の金沢訪問は「北陸新幹線」を利用して行ってみたいものである。                                 (おわり)


(お断り:北陸の雪国生活を誹謗中傷しているものでは有りません)


写真④ 男子用公衆トイレ・トイレットペーパー・ホルダーの取り付け場所が人間工学観点から良くな         い事例、右手が届きにくい「After you 」のつもりで身体を90度旋回することも、
    とても困難。「取り付けたおっちゃん!自分でつこてみい!」